サイードと賢者の書―喜多川泰『賢者の書』
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先日、帰宅しようとしていると、私のアパートの前で小学校1~2年くらいの子どもたちがボール遊びをしていました。
私が前を通ると、彼らは私に当たらないようにその間、ボールを投げるのを止めてくれました。
いつもくたびれて帰るんですが、その日は少しほっこりすることができました。
- 作者: 喜多川泰
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2009/08/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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さて、今日はこの前友人に借りた本の話をしようと思います。
少年サイードが世界中を旅して9人の賢者と出会い、「賢者の書」を完成させていく物語です。
9人の賢者の教えを私なりに一言でまとめてみると以下とおりです(太字はそれぞれの賢者のキーワード)。
①人生は行動することによってのみつくられる。
②だれにでも無限の可能性がある。
③この世界ではだれもが唯一無二の存在であり、故に自尊心と他尊心を等しく持つべきである。
④人生で追い求めるべき目標は、「何になるか」ではなく、「どんな人間になるか」である。
⑤人は未来でも過去でもなく、今を生きることしかできない。
⑥人生においてもっとも必要な投資は、自分にとって本当に意味のあることに時間を投資することである。
⑦自分が幸福になりたければ、まず人を幸福にすることを考えるべきである。
⑧人は言葉によって自分自身を変えることができる。
9人目は・・・この作品の結末に関わる部分ですから、ここでは止しておきましょう(笑)。
こういう言い方はおこがましいですが、私が本や歴史、仏教や人の話、あるいは自分の経験を通して考えていたことを改めて言葉として示してもらったような気分で、しきりに頷きながら読んでいました。
自己啓発書としてはなかなかに傑作だと思いますが、欲を言えば物語としての深みが欲しかったところです。
サイード少年があまりにも優等生過ぎるのが玉に疵で、もう少し彼の欠点を描写するか、冒険の苦労を描いた方が物語として面白味が出たように思います。
まあ、それはそれとして、この物語では人生をパズルに例えています。
[パズルと言えば、いつぞや父の日にプレゼントしたこのパズルを思い出します。50歳になる私の両親が仲良くパズルを作る姿は、なかなか微笑ましいものでした(笑)]
いい出来事も悪い出来事も、成功も失敗も全てが人生というパズルを組み上げるのに必要なピースである、その意味で人生には本当の不幸も失敗もない―。
この考え方、私は物凄く共感できる気がします。
それなり苦労したことや、悩み苦しんだこともあったし、それは今でも続いているとも言えるんですが、少なくとも今は悲観はしていません。
それら全ての出来事が私の人生には欠くべからざるピースだったのだと、今では心から信じることができます。
今日はこんなところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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