あなたは、何と出会いますか?
[渋沢栄一(1840~1931)
現在の埼玉県深谷市に裕福な農民の子として生まれる。第一国立銀行(現・みずほ銀行)、王子製紙(現・王子製紙、日本製紙)、帝国ホテル、東京証券取引所など、生涯に500を越える企業の創設に携わり、「日本資本主義の父」とも呼ばれる。
ちなみに余談だか、筆者の大学時代の卒論にはこの人の息子が出てきた。そういうこともあって、親近感を抱く人物]
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
実は最近、自治体の司書採用試験を立て続けに控えていたり、司書講座の定期試験があったりして、ブログをゆっくり書く時間が取れないのが悩みの種でございます。
それでもマイペースに更新を続けていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
さて、生きていれば人やら出来事やら、色々なものに出会いますよね。
素敵な異性と知り合う、気の合う友達と出会う、犬の糞を踏む、宝くじに当選するetc.
喜ばしい出会いもあれば、そうでない出会いもある。
今日は人生における「出会い」というものについて、少し考えてみたいと思います。
- 作者: 城山三郎
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このブログでも何度もお出ましいただいている城山三郎さんのエッセイに「人は、その性格にあった事件にしか出会わない」という一編があります。
内容は読んで字の如しなんですが、よく「不幸な出来事にばかり遭遇したから、暗い性格になった」とか、逆に「幸運にばかり恵まれたから、明るい性格になった」式の論法を見かけることがあります。
けれど、これは果たして本当でしょうか?
城山さんは出会いが性格をつくるのではなくて、性格が出会いをつくるのだと言います。
例えば明治の大実業家の渋沢栄一。
この人は、若き日に討幕運動に失敗して、京都の一橋家に逃げ込みます。
そこで持ち前の好奇心と学習欲で、色々なことを吸収して、そして意見を言う。
それが当主の一橋(徳川)慶喜の目に留まって、彼の弟に随行して、パリに派遣されて、そこでも色々と吸収する。
その知識を見込まれて明治政府に取り立てられたり、明治政府での経験が渋沢を実業家に転身させるきっかけになったりしたわけです。
あるいは、渋沢の従兄弟の喜作という人。
この人は、一橋家に逃げ込むところまでは、渋沢と行動をともにしますが、彼は一橋屋敷で剣術に打ち込む。
渋沢と喜作の対照的な人生は、まさに「性格が出会いをつくる」の好例と言えるでしょう。
このエッセイを初めて読んだとき、正直私は意味がよくわかりませんでした。
けれど、最近になって段々わかってきた気がします。
自分で言うのも何ですが、大学を出てからの2、3年は、その10倍の時間を生きた気になるような、激動の人生だったと思います(今もその最中にいますが)。
明日も見えない日々で辛いことの方が多い日々でした。
でも、この時間があったからこそ、尊敬すべき人とたくさん出会えたし、自分の人格も前よりましになったし、何よりも自分が本当にやりたいことを見つけることができたのでしょう。
それというのも、良くも悪くも一本気で諦めの悪い性格故だったと、今では思います(笑)
自らの人生を切り開こうとする限り、天は人を、必要な出来事に出会わせ、必要な人に引き合わせてくれるのだと、なぜか今ではそう思えます。
今日はこんなところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、冒頭でも申し上げましたように、近々自治体の司書採用試験を立て続けに控えておりますので、次にいつ更新できるかわかりません。
今日は息抜きの更新でした(笑)
読者の皆様におかれましては、気長にお待ちいただければ幸いです。