よく生きる≠正しく生きる
どうも、半平です。
本当にお久しぶりです。
世間はコロナ騒動で騒がしいですが、皆様お元気でしょうか?
私はコロナに負けず平常運転でございます。
色々やること(やりたいこと)が多く、このブログもずっとほったらかしになっていましたが、ある人に「また書いてみたら」と言われまして、「そんな書こうか」と言う気になりました。
また書き続けるかもしれませんし、ぱたりとすぐ止めるかもしれません。
どうなるか私にも分かりません(笑)
まあ、それはさておき、今回は最近公開された「Red」という映画の話をしようと思います。
原作は島本理生。
商社マンの夫(間宮祥太郎)と一人娘に恵まれ、一見だれもが羨む幸せな主婦・塔子(夏帆)がかつての恋人・鞍田(妻夫木聡)との再会をきっかけに不倫にのめり込んでいく物語です。
- 作者:島本 理生
- 発売日: 2017/09/22
- メディア: 文庫
私は原作の方は未読で、映画もよくある不倫物と言えばそれまでですが、主演の夏帆がまず愛らしい。
恋をすることでどんどんかわいくなっていく女性を見事に表現しています(女性は恋をするとかわいくなるものなのでしょうか?そして、濡れ場の夏帆がこれまた実にかわいい!)。
また、相手役の妻夫木聡は影があるけど優しい男・鞍田を、間宮祥太郎はやさしいようで、実は自分のことしか考えていない夫の秋彦を好演しています。
と言うか、この秋彦がいちいちイライラさせてくるんですが、本人は自分が良い夫であることを寸分も疑っていないのが、なおのこと腹立たしい。
私が結婚してもこのようにはなるまいと反面教師にしようと思いました(笑)
他にもさりげないシーンやセリフが、登場人物のパーソナリティを窺わせるようになっていて、私はいい映画であったと思います。
さて、不倫といえば最近何かと話題になっていますが、私は芸能人の不倫が報じられた時の世間の反応に強烈な違和感を感じていました。
その理由の一つは、不倫を糾弾する資格はそれをされた配偶者にしかないと思っているから。
純然たるプライベートの問題をまったくの赤の他人がよってたかって非難する様子は、率直に言って気持ち悪い(そんなプライベートな問題を、さも大事件のように報道するメディアもまた)。
そして、人の不倫を責め、果ては人格攻撃まではじめる人々は、他人をそこまで言えるほど清く正しい人間なのでしょうか?
キリストは「汝らの中で罪なき者、この女を石もて打て」と言いましたが、私などは不完全もいいところな人間なので、他人を非難することについためらいを覚えてしまうし、一時の感情で非難したとしても、後で後悔せずにはいられないのです。
それはさておき。
劇中の塔子は少なくとも傍目には絵に描いたような幸せな主婦で、夫と娘と同居する姑に尽くす「良い妻」でした。
でもそれは、世間の規範や他人の期待に自分を押し込めていただけでした。
そうすれば幸せになれると信じて。
鞍田と再会して、そうでないと気づいたとき、不倫に走ってしまう。
たとえ不倫が悪であったとしても、そういう塔子の方が女性としても人間としても魅力的に私には見えます。
映画のラストで塔子はある決意をしますが、その姿は凛として美しい。
やはり、土壇場では男より女性の方が肝が据わっているのでしょうか?(笑)
さて、「よく生きる」といいますが、それは必ずしも「善く生きる」ことではなく、ましてや「正しいことだけして生きる」ことではまったくないと、私は思います。
そんな人間にはまったく人間味がないし、おもしろくもない。
また、「正しく生きる」ことに汲々とする人生では、それで周りは平穏であったとしても、本当に自分の生きたとはいえないのではないでしょうか。
それよりは、いっそ大いに悪をなし、間違いを犯し、後で懺悔する人の方が、よほど人間らしいと思うのです。
この世にて慈悲も悪事もせぬ人はさぞや閻魔も困りたまわん(by一休)
今日はこんなところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。