静かに、健やかに、遠くまで
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
春がだんだん近づいてきたと思ったら、また真冬のような寒さに逆戻りしましたね。
普段は滅多に雪なんか降らない私の街でも、今朝は雪がちらつきました。
さて、最近"静かに行く者は健やかに行く、健やかに行く者は遠くまで行く"という言葉をよく思い出します。
フランス生まれの経済学者レオン・ワルラスの言葉で、私の好きな城山三郎さんが度々引用しています。
レオン・ワルラス(1834〜1910)
フランス生まれの経済学者。フランス生まれではあるが、彼の学者としてのキャリアは主にスイスで築かれたので、「フランスの経済学者」とは言い難い。
国立学校を中退したり、理事を勤めていた銀行が倒産したりと、祖国フランスではぱっとせず、36歳でローザンヌ大学に職を得た。こうした経歴を見るあたり、ワルラスも結構"苦労人・遅咲き型"のような気がする。
経済学に数学的手法を取り入れ、その精緻な分析手法は近代的経済学の基礎を築いた。彼を初めとする系譜を「ローザンヌ学派」という。
「ワルラスの均衡」で経済学にその名を残す。
何となくいい言葉だなと思っていて、覚えていたんですが、ついこの間大きな挫折を経験して、その影響でメンタルがガタっと崩れて、また立て直してという経験を経て、その意味が本当にわかってきたような気がしています。
たとえば、私の挑戦にしてもかなり難易度が高く、よほど優秀な人でも運に恵まれない限り、成功するものではないと、今なら思います。
それが成功しなかったのは、私の努力が足りなかったからではないのだと。
また、それでメンタルが不調になったのも、自分で思っていた以上に一生懸命やっていたからで、がんばれない自分を責める必要はなかったのだと、今は思います。
努力が報われることの方がむしろ稀で、自分の力ではどうにもならないところで、自分の運命が動いていくことの方が多いのかもしれません。
人生という旅は、地図もなく舗装されていない道を行くようなもので、挫折に病気に災難、その他諸々とトラブルが実に多い。
時には立ち止まったり、回り道を余儀なくされることもある。
人間にできるのは、それでも旅をやめないことだけなのでしょう。
長い長い旅を一歩ずつ、自分のペースで。
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兎のように軽やかに行く人もあれば、亀のようにゆっくりな人もいる。
兎を横目に見ても、決して焦らない。
亀には亀なりの行き方があると分かれば、そのゆっくりとした道行きがむしろ愉快にさえ思えてくる。
ワルラスの言葉が言わんとしているのは、亀のような愚直さ、誠実さであるような気がします。
そう言えば、アレクサンダー大王は三十代半ばで亡くなるまでにギリシャからインドに至るまでの広大な帝国を築き上げました。
モーツアルトは十代で既にヨーロッパ中の宮廷で名声を得ていた音楽家でした。
モーガン・フリーマンが俳優として名声を博したのは五十歳になる頃で、カーネル・サンダースがケンタッキーフライドチキンを創業したのは、六五歳になってからでした。
人生のペースの多様なること、斯くのごとし。
やはり自分にあった速度で行くことが大事なのです。
私はたぶん、亀の方だけれども。
最後に名言をもう一つ
" その時々にできるだけのことをして、つまらん後悔はしないことだ。(中略)人にはそのくらいのことしかできんのだ"
byウッディ大尉(「機動戦士ガンダム」)
今回のような話を前にも書いたような、と思っていたら、3年前のブログを始めたばかりの頃の記事にありました。3年間の成長が見れる(だったらいいな)と思うので、こちらもお読みください(笑)
今日はこんなところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。