半平のきまぐれ日記

ADHD(注意欠陥多動障害)の会社員が本を読んで、映画を見て、あるいはその他諸々について思ったことを気まぐれに綴ります。(※本ブログはAmazonアソシエイトを利用しています。また、記事中の画像は、断りのない限りWikipediaからの引用、もしくはフリー素材を使用しています)

したたかな二代目

いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

お久しぶりです、半平です。 

実は今月いっぱいで今の仕事を辞めることになりました。

当面自由な時間が増えますので、少しずつブログを書いてみようと思います。

さて、今年の大河ドラマ鎌倉幕府二代目執権の北条義時を主人公とした、三谷幸喜脚本の「鎌倉殿の13人」。

北条義時のことは「名前を言われたら思い出す」程度にしか知らなかったので、予習として『北条義時』(岩田慎平、中公新書)を読むことにしました。


前半で平氏政権成立と滅亡、鎌倉幕府の成立、頼朝死後の鎌倉幕府の状況を叙述し、後半では北条時政の失脚を機に鎌倉幕府の中心に躍り出た北条政子と義時のきょうだいの行動と承久の乱に至るまでの過程が描かれています。

分かりやすくまとまっており、義時の伝記でもあると同時に鎌倉幕府成立史としてもおもしろく読めると思います。


鎌倉幕府の成立というと、いまだに「古代の支配階層であった貴族から、新しく台頭してきた武士が実権を奪う」といったような階級闘争的な見方が巷間では強いと思いますが、頼朝に味方した武士にそのような意識はなく、自分たちの利害のために源氏の貴公子たる頼朝を担いだのであって、そこにイデオロギーや共通の理念のようなものはありません。
(そもそも近年の武士の成立過程の研究では、武士を「軍事貴族」という、王朝国家の下で軍事という職能を担った貴族として捉えています。)

故に平氏という共通の敵を打倒した後に、伏在していた御家人間の利害対立が表面化し、それが頼朝死後に北条氏が同僚の御家人を次々滅亡させてくことの遠因となります。


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北条義時


大河ドラマでは義時はまだ10代の若者で、父や兄や姉に振り回されているだけですが、その後の義時は一族の権力維持のために甥でもある二代目鎌倉殿・源頼家を殺害し、父の時政を失脚させ、さらに数々の粛清に協力してきた和田義盛も滅ぼします。

姉・政子とともにこうした数々の粛清劇の少なくとも一部を積極的に主導してきたのを見るにつけ、少なくとも義時は真面目な補佐役というだけではない。

かなりしたたかで腹黒い(と言うか本当にヤバいのは政子なんじゃないかという気もしますが)。

大河ドラマでは小栗旬さんと小池栄子さんが義時と政子を演じていますが、この二人が謀議をしてるところなんて、かなり絵になると思うので楽しみです(三谷大河だからコメディタッチになるんだろうか)。

今のところ周りに振り回されている義時が、どのようにしたたかで(腹黒い)政治家に変貌していくのか、それが大河ドラマでどう描かれるのか、楽しみにしたいところです。

今日はこんなところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。